SSブログ

月と六ペンス [読書]

この装丁の本を見たのはもうずいぶん前になる。

このほどようやく読み終えた。

ゴーギャンをモデルに書かれたことで知られているが、目に見えない芸術というものの本質に

迫る面白い本だった。

秘密諜報部員だったモームらしく、ある作家がストリックランドという人物を追いかけていく構成

がサスペンスのようで、話にぐいぐい引き込まれていった。

そして、人間とはかくも不可解なものだ、ということをストリックランドだけではなく周りのユニーク

な登場人物たちも感じさせてくれた。

中でも、からっきし下手な絵を描いている画家で、ストリックランドの才能を信じて疑わず、つい

には妻を取られてしまう男は秀逸だった。おかしくて哀しい。「アマデウス」のサリエリに通じる

ものがあった。

月は幻想、六ペンスは現実を現わしている。

何もかも棄ててパリへ行ったストリックランドはこう言う

「おれはただ、描きたいんだ」

そして最後の作品をタヒチで描き上げ、死んでいく。

 

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

9.11とロルカ日本映画2作 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。