島田正吾、長谷川法世、金子光晴 [読書]
最近読んだ本。
一気に読ませていただいた。
師匠を思う弟子たちの気持ちが、身近に感じられた。
芝居馬鹿が少なくなったと、私の師がよく言っていたものだ。
新国劇という劇団がかつてあった。
その歴史と、芝居に魅入られた者たちの群像が本の中で光を
放っている。そしてその光は、段々と小さくなり遠くのほうで
かすかに光っているのが見えるに過ぎない。
しかし、確実にまだ光り続けている。
博多っ子純情 作者: 長谷川 法世
出版社/メーカー: 西日本新聞社
学生時代に読んでいたのだが、縁あって全34巻を買って読み通した。
山笠と喧嘩とラグビーと(性的)コペルニクス的転回と友人たち、青春の
苦悩と恋人そして親と博多人形。自分とダブる部分が多く、何度か涙した。
その涙は懐かしさか悔恨か、共感の涙か・・・・・・そのすべてだ。
この漫画は、長谷川法世の青春大河巨編だ。
1965年にかかれた本。
「日本人の持っている、つじつまの合わない言動の、その源」を
知りたくて、「表面は、恬淡として、無欲な、無神論者の日本人。
だが、その反面、ものにこだわり、頑固でうらみがましく、他人を
口やかましく非難したり、人の世話をやくのが好きな」日本人
の性格が、どんなふうにもつれ、どんなふうに食いちがってきたか
を異邦人の眼でながめている。(ほとんど引用)
目からウロコ。はまった。
もう一度考えよう。日本人とは何かを。
「絶望の精神史」が面白そうです。65年に書かれたものですか…。
高度成長期、真っ只中って頃でしょうね。
では、早速。
by toro (2008-01-29 08:55)
>金持ち母さんさん
ありがとうございます。
またおいで下さいまし。
by kaz-i (2008-01-29 12:56)
>toro様
ありがとうございます。
明治、大正、戦前、戦後、高度成長と価値観が
ころころ変わっても、金子光晴の一貫した「反権力」
(一言ではいえませんが、あえて・・・・・・)の姿勢は、
あらためて凄いと思いました。
バブルが終わり、9.11、そしてこの今の日本を見て、
光晴は何を思うでしょうか。
by kaz-i (2008-01-29 13:18)