「アンダルシア」はアンダルシアでなかった。 [映画]
これからこの映画を見ようとする人は、以下の文章を読まれると興味が
そがれるかもしれませんので読まないほうがいいかもしれません。ご注意ください。
私はスペインのアンダルシア地方が好きで、1990年と1997年に訪れている。
アンダルシアとはセビリア、マラガ、コルドバ、グラナダなど10の県からなるスペイン南部の
州で、日本人がスペインをイメージするのはこの地方発祥のフラメンコや闘牛である。
オリンピックが開催されたバルセロナはカタルーニャ州の州都であり、ガウディの建築物で
有名である。
アンダルシアとカタルーニャ(カタロニア)では同じスペインでも、文化も言語も違っていて
まるで別の国のようだ。スペインとはもともとそういう小さな国々の集まりなのだ。
で、この映画であるが、「アンダルシア ~女神の報復~」と銘打っているのに、
アンダルシアはロンダしか出てこない。
私は、前作の「アマルフィ」は見ていないが、こういう映画はその土地の見どころを
さりげなくストーリーに織り込むことも楽しみの一つではないかと思うし、今回は
アンダルシアのどの場所が出てくるんだろうと、私はそれだけのために見に行ったと
いっても過言ではない。
その一点で、相当がっかりした。
出てくるのは、パリとアンドラ公国とバルセロナ。そしてちょこっとロンダ。
全然「アンダルシア」感がない。そして、せっかくバルセロナで撮ってるのに、街を
あまり撮ってない。ガウディの建築もちょろっとしか出ない。
パリも凱旋門だけ。ロンダもヌエボ橋と闘牛場だけだが、これもなんだか取ってつけた
ようで物足りない。
私は、勝手な妄想だが織田裕二が、グラナダやミハスやコルドバやらを駆け回る画面を
想像し、アルハンブラをどう撮っているのだろうか、「アンダルシア」とうたっている以上
当然グラナダは出るだろうな、と相当楽しみにしていたので落胆はあまりあった。
黒木メイサは荷が重すぎた。まだ若い。伊藤英明のバックストーリーも浅い。
福山もキャラクターが違う。みんな格好いいんだけどね。戸田エリカに至っては、なんで
この子なの?と。
なんだか思わせぶりな演出も、かちっとエピソードに昇華して行かないで、消化不良。
仕掛けが派手な分、私の落胆は大きかった。勝手なこと言ってすみませんが。
ご苦労さまでした!
これがアンダルシアだ!
コルドバのメスキータ。
アルハンブラを撮らんかいっ!
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