吉田東洋死す! [TV]
大河ドラマ「龍馬伝」が好調だ。
絶妙なキャスティング、乗りに乗った役者たちの演技、色調の統一感
綿密に調べた史実、伏線の張り方、人物の成長(役の掘り下げ)が素晴らしい。
中でも、吉田東洋を演じた田中泯さんは素晴らしかった。
余計なものをそぎ落とした演技と、何物をも見透かしているかのような東洋の
視線と台詞に、自分が武市半平太か龍馬になったかのように(単純なんですみません!)
毎週ドキドキさせられた。
「たそがれ清兵衛」の捨て身の武士、「メゾン・ド・ヒミコ」のゲイの主人
「ハゲタカ」の研磨職人などずっと見てきたが、さらに素晴らしい。
一筋縄ではいかない人間の怖さ、悲しさ、孤独、業…というようなものを
感じさせてくれる。
他の役者さんたちにもますます期待しています。
プラネットアース [TV]
最近この番組にはまっている。
NHKとBBCが五年の歳月をかけて撮影・制作した大型自然ドキュメンタリー。
どうやって撮影したのかと思うほど、人が近づけない場所に行き、動物や植物などの対象に
文字通り「肉薄」している。
この撮影スタッフたちは、とんでもない冒険野郎たちに違いない。
これまで見たこともない映像に、引き込まれている。
ペンギンたちも凄いが、どうやって撮ったのでしょうか?
象と一緒に泳いだのだ。
ギアナ高地と吉野の桜の揃い踏み。
400メートルの深さの洞窟に、人が飛び込んでいく。
ボルネオの洞窟には300万羽のこうもりが住んでいる!その糞の堆積物は高さ100メートル。
そこにえさを求めて集まった、何万匹かのゴキブリたち。
弱肉強食の世界、生命の連鎖、摩訶不思議な自然の営み・・・・・・こんな映像の連続で、
息を呑んで見ている。
人間も不思議だけれど、この世界は不思議だ。
プラネットアース<再放送>
■2006年6月5日(月)午後4時~5時40分
第1集「生きている地球」、第2集「淡水」
■2006年6月6日(火)午後4時~5時40分
第3集「洞窟」 、第4集「砂漠」
何を伝えていくのか? [TV]
連日のライブドア報道、そして耐震偽装問題報道。
江東区で4歳の子供が放火らしい火事で死んだことなどは、ほんの
一瞬しか伝えられず、すぐに忘れ去られてしまうだろう。
テレビでは、お得意の情報つぎはぎ、ヒステリック断罪番組を垂れ流している。
弁護士や医者や大学教授など、いろんなコメンテーターがかまびすしい。
テレビに出て、自分の「感想」をほざく暇があったら本業で社会に貢献してくれないか
と思う。
大本営発表ではなく、記者が自分で探り当てた真相に迫る取材を待っている!
にんげんドキュメント「めざすは横綱 琴欧州」 [TV]
1月6日夜放送。
先代の佐渡ヶ嶽親方(元横綱琴桜)の厳しくも優しい愛情、
そして琴欧州の師匠を、親を思う心に新年の初涙を流した。
また、定年の親方を迎える、協会役員の寺尾、水戸泉たちの一礼は、
先輩を心の底からねぎらっている気持ちが伝わってきてじんとした。
出稽古に来た朝青龍の親方への挨拶も尊敬の念が溢れていた。
相撲界は礼に始まり礼に終わると言うが、この世界の人たちはお互い
に苦しい稽古をくぐり抜けたという共感、仲間意識があるのだろう。
お互いを尊敬し合っているような気がする。
勝負の世界ゆえに、闘争心のない者への容赦のない罵声は「強くなれ!
早く強くなれ!お前ならできる!」との愛情ある言葉に聞こえてくいる。
この親方は人格者なのだと思わされた。
真の強者こそが優しさに満ちあふれている。
がんばれ琴欧州。稽古に打ち込み横綱を目指せ!
日本の力士たちもがんばれ!
駅伝やこの番組を見て、気持ちがあらたまった。
クライマーズハイ (前編) [TV]
12月10日(土) 19:30~ NHK
同名小説のドラマ化。
20年前の日航ジャンボ機墜落事故当時の地方新聞社の話。
ふってわいた大事件に、ローカル紙の記者たちは色めき立つ。
タイトルバックがカッコイイ。
脚本=大森寿美男がいい。夢や希望をなくした男たちの悲哀が胸に迫る。
新聞を作るって何だ?
事件の犠牲者のことをどう考えているのか?
様々な疑問がそれぞれの人物の存在意義に迫りくる。
岸部一徳がうまい。
大人のドラマの予感。
12月17日の後編にも期待します。
昨日は念願の新宿で、久しぶりに心おきなく飲むことができました。
仲代達矢 「赤秋」 [TV]
映画「男たちの大和」の中吊広告を見ると、出演俳優たちの写真がのっている。
その中に仲代達矢の「哀しげな」顔がある。
黒沢監督作品をはじめ多くの映画や舞台に出演されている名優、仲代達矢。
先日、NHKで舞台「ドライビング・ミス・デイジー」の稽古に密着取材したドキュメンタリー
を見た。
普段は絶対に見せないであろう、俳優の素顔によく迫っていた。
肝心の舞台は見ていないので、感想を言うのもお恥ずかしい話ですが、
鼻歌を歌いながらそうめんを一人茹で、膨大な台詞を覚える孤独な姿に心うたれた。
その「哀しげ」な表情がずっと気になっている。
だんだん年をとると、生きていて楽しいことは10のうち2つか3つ、
だから「有難い」。
亡くなった師匠にそういわれたことがある。
仲代達矢の写真を見てそんなことを思った。
そしてふるさとで一人暮らす父のことを考えた。
がんばれ杉村太蔵 [TV]
若者よそのまま突っ走れ!このまま4年間死んだふりをすれ ば未来はない。 ここが勝負所だ。おじさんたちに負けるなよ! フレー、フレー ス・ギ・ム・ラ!
だってあなたは多くの日本の人たちから選ばれたんだもん。 |
チャングムの誓い [TV]
1ヶ月以上BSが見られない環境にいたので、まとめて録っていた5話分を一気に見た。
展開がものすごく早く、1話の中に2~3話分詰まっている感じ。
原作を読んだが、これは数行の史実をもとに作り上げた、含蓄に富む素晴らしい小説である。
小説も素晴らしいが、これを54話の大河ドラマに仕上げたイ・ビョンフンはじめ韓国スタッフの
熱意、技量には頭が下がる。特に脚本が素晴らしい。
繰り返しのような部分も多いが、このじらし方がまたうまい。必ず何かと関連してくる。伏線の
張り方がいいと云うことなのだろう。
敵対関係、因縁、恋、運命、努力、師弟、成長、挫折、別離、肉親、情愛、裏切り、意外性、
飛躍などなど「劇」的要素がこれでもかと詰め込まれている。
こういうドラマが日本には少なくなった。
再現ドラマでは感動しない。
隠し芸大会以後、本物と偽物の区別がつかなくなった。NG大賞なんかやってる場合じゃない。
歴史とは常に勝者である権力者側の歴史である。
歴史には残っていないこと、書いてないことを創造(想像)してこそプロの仕事だろう。
演技陣も素晴らしい。チカラがある。日本人声優もいい。
昨日48話を見たが、クライマックスでしたね。
チェ一族がついに・・・・・・。
女官長はいい芝居をしていました。
胸を打つのはチャングムをはじめとする「無私」の精神。
チャングムは母、師、国王を思い、国王は国をそして民を思う。
韓国ドラマ・ガイド 宮廷女官 チャングムの誓い 後編 教養・文化シリーズ―韓国ドラマ・ガイド
- 作者:
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2005/06/25
- メディア: ムック
女系家族 その後 [TV]
どうなっているのかいな、と思って久しぶりに見た。
・・・・・・やっぱり日本橋じゃないだろう。山崎豊子は船場じゃないとだめだ、そう確信した。
長女の高島礼子は叔母の役が良かった。悪いけど娘に見えない。
美しい三姉妹というのが、この作品の売りの一つであるのだから。
その美しさの中にある自分たちが意識していない「毒」=人間の業、そこまで迫って欲し
かった。
叔母の浅田美代子はかわいらしすぎて貫禄不足。何でこの役、この人にしたんだろう。
「さんまのからくりテレビ」を思い出す。大体着物が似合わない。
米倉涼子は「黒革の手帳」、森本レオは「ショムニ」、高橋克典は「特命課長」、瀬戸朝香は
「えいじ35」を思い出すし、浜田文乃と矢島の主人が愛し合ってるとは到底思えないし・・・・・・。
みんな引き出しなさすぎ。自分を演じているのか!?
そしてみんな台詞がひどい。日本語をもっと大事にして欲しい。
宇市だけがうまいので浮いてしまっている。比べてみてくださいよ。
私たちは筋書きでなく「ドラマ」を見たいんです。
回想シーンで出た、佐々木すみ江クラスが脇を固めないとこういう話は奥行きもなくなり、
持ちませんね。
宇市の愛人役はエンドロールの表記では小林君枝(伊佐山ひろ子)となっていて、小説でも
そうなっているが、ホームページでは「小林君江」となっている。
僕の友人にホームページの方と同姓同名の人がいるので、どっちが正しいのよ!
と落ち着かない様子です。
女系家族:http://www.tbs.co.jp/nyokeikazoku/