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七回忌 [雑文]

母が亡くなって6年。

七回忌となった。

父は、ただの法要だけでなく、一人の人間としての母の生涯を

広く皆さんに知ってほしいという思いを強くし、そしていつも平和を願って

いた夫婦であったので、「平和の集い」という催しを企画した。

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NBC.jpg

母の67年間という生涯をスライドで紹介し、そのあとにゲストとして

講談師の神田香織さんに立体講談「はだしのゲン」を語っていただき

第1回船村徹カラオケ大会チャンピオン、沖縄の上地葉史子(うえちよしこ)

さんにも出演していただき、母の好きだった美空ひばりの歌を歌っていただく

ことになった。

「はだしのゲン」は広島の話だが、同じ被爆地である長崎で、お客様は同じような

思いで聞かれていたように思う。

崩れた家の下敷きになった母と弟を助けられず、迫りくる火の手を前に逃げざるを

得なかった少年ゲンの無念の思いは、観客の胸に迫り涙を禁じえなかった。

被爆者の方もたくさん来ておられた。

そして、上地さんのひばりの歌の中でも、1974年の第1回広島平和音楽祭で

歌われた「一本の鉛筆」は心にしみた。

              【一本の鉛筆】 詞:松山善三 曲:佐藤勝

あなたに聞いてもらいたい  あなたに読んでもらいたい

あなたに歌ってもらいたい  あなたに信じてもらいたい

一本の鉛筆があれば  私はあなたへの愛を書く  

一本の鉛筆があれば  戦争はいやだと私は書く

あなたに愛をおくりたい  あなたに夢をおくりたい

あなたに春をおくりたい  あなたに世界をおくりたい

一本のザラ紙があれば  私は子供が欲しいと書く  

一本のザラ紙があれば  あなたをかえしてと私は書く

 

一本の鉛筆があれば  8月6日の(8月9日の)朝と書く

一本の鉛筆があれば  人間のいのちと私は書く

 

 

会場の長崎市上町(うわまち)のNBCホールには、親類や、町内の方、

友人の方々など母にゆかりのある人が400人も集まってくださり、母を

偲び、平和の尊さというものを考えるいい機会になったのではないかと思う。

私たちはふだんの忙しさにかまけて、大切なことを忘れている。その忙しさとは何だろう。

何のために忙しくしているのだろうか。

そんなこともふと考えた。

そしてまた、父の縁でもあるのだが、私の小学校1年の時の担任だったI先生にも

思いがけず再会できた。約45年ぶりだった。

父のおかげで、いい母の供養になったと思った。

子供というものは、自分の親の近くにいながら、親のことはあまり

知らないように思う。

私も18歳で上京し、両親とは離れて暮らしていたので、自分の親たちの

ことはよく知らなかった。

母の闘病中に休職してしばらく長崎にいたときに、毎日病室でいろんな話を

することがあって、母の人生を少しは知ることができたのかなあと思う。

病床でもよく怒られた、不肖の息子でしたが。

いまはただ母の冥福を祈り、平和への思いを語り継いでいこう。

そう思っています。

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母の好きだったパラオの海で。

合掌。


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コメント 3

kaz-i

>toroさま

いつもありがとうございます。
2月14日から長崎が真っ赤に染まるランタン祭り
です。
よかったらお出かけくださいませ(^▽^)
by kaz-i (2010-02-11 11:43) 

yutakami

たいへんな方だったのですね。
他所ながら合掌申し上げます。
by yutakami (2010-03-29 06:35) 

kaz-i

>yutakami様

あっという間に6年が経ってしまいました。
長崎人らしい豪快で明るく優しい母親でした。
はるばるアメリカより、そしていつも
ありがとうございます。

と書いていて、ちょっとブログにお邪魔したら、
日本に帰国されていたのですね。
おかえりなさいまし!!
お疲れ様でした。
by kaz-i (2010-04-04 18:33) 

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