山崎豊子あれこれ [読書]
山崎豊子熱が続き、「女系家族」「ぼんち」と進んで、
「沈まぬ太陽 ~アフリカ篇」「沈まぬ太陽 ~御巣鷹山篇」
まで一気に読んだ。
「女系家族」「ぼんち」は山崎豊子の船場ものの集大成とも
言うべき作品で、堪能した。
まだ見ていないが、「ぼんち」は市川崑監督、市川雷蔵主演で
映画化されている。(そういえば、このお二人は同じ姓だったのか・・・
今気づきました)
市川雷蔵は「ぼんち」にぴったりだと思う。読んでいる時もずっと顔が
浮かんでいた。
「ぼんち」もそうだが、「女系家族」は登場人物のキャラクターが秀逸で
遺産相続をめぐる、ブラックコメディとしても面白かった。
「沈まぬ太陽」は、日本航空がモデルとされ、物議を醸した作品だ。
20年前、8月12日の日航機墜落事故の衝撃は、今もはっきりと覚えている。
この作品を読んで、遺族の方の無念さ、苦しみ、孤独、様々な思いをあらためて
知らされた・・・・・・。
・・・・・・ひとことでは、言い尽くせない。
この作品はドキュメンタリーではなく小説なので、企業内部のことすべてが事実
と思うわけではないが、最近の事故や不祥事を見ていると、やっぱりか・・・・・・
と思ってしまう。
しかし、どうしてこうなってしまったのかきちんと説明してもらわないと、JALの
飛行機にはもう乗りたくなくなってくる。すみませんじゃすまないのだ!
現場のまじめなスタッフも数多くいらっしゃると思うので、そのことを思うとまたつらい。
小説と事実を混同しそうになるが、こんなことが世の中には数多くあるのだということを、
あらためて思う。
そして、口先だけではない「誠意」というものを忘れてはならないと思う。
「あなたが当事者だったら、どうしたでしょうか?」
そんな問いもまた、厳しく私に突き刺さった。
山崎豊子はねちっこい。
物事を追っていく執念が物凄い。
好き嫌いはいろいろあろうが、人間を丸裸にして観察している。
それぞれの詳しい感想はまたの機会に。
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