二重被爆者 山口 彊（つとむ）さん

二重被爆者という言葉を、最近初めて知りました。

1月14日のニュースステーションで、広島と長崎で被爆された山口 彊（つとむ）さん

のことが放送されました。

先日長崎に住む友人から、ジェームズ・キャメロン監督が長崎に来たとのメールを

受け取り、原爆（核）に関する映画を何か撮るのだと思っていましたが、山口さんとの

交流があったのですね。

三菱の長崎造船所に設計士として働いていた山口さんは、1945年5月に8月7日

までの予定で広島の造船所に出張されており、8月6日に被爆されました。

鼓膜が破れ、大やけどをおわれたそうです。

命からがら、山口さんは長崎に残してきた奥さんと子供さんに会うために、

翌日の救援列車に乗って長崎へと帰りました。

そして8月9日。

長崎に原爆が投下され、三菱造船の事務所で再び被爆。

奥さんと子供さんも原爆の後遺症とみられる病気ですでにお亡くなりに

なっています。

山口さんのキャメロン監督への手紙が、監督を動かし、今回の長崎来訪

へとつながっていったそうです。

山口さんは国連でも講演し、「二重被爆」というドキュメンタリー映画も作られました。

キャメロン監督は、病床の山口さんに「あなたは選ばれた人です」とやさしく

語りかけます。

戦後アメリカ軍の通訳もしていた山口さんは英語で

「私の役目は終わった。後はあなたに託したい」と話しました。

被爆者たちの声なき声、60数年にわたる苦しみを、キャメロン監督にぜひ表現して

いただきたいと思います。

キャメロン監督に会った直後の今年1月4日、山口さんはあの世に旅立たれました。

マーチン・スコセッシも遠藤周作の「沈黙」の取材のため長崎を訪れたそうです。

（撮影はニュージーランド）

本物の芸術家は、国境を越え、そして自分が何をなすべきかを知っている。

http://www.geocities.jp/takiseeds/

コメント 3

おそらく史上世界唯一の方だったのでしょう。
by yutakami (2010-01-19 13:51) 

>広島ピアノさま
ありがとうございます。
またお寄りください。
by kaz-i (2010-01-21 07:51) 

＞yutakami様
コメントありがとうございます。
功なり名遂げたキャメロン監督が、原爆のことを
映画にしようという意欲をもっていることに感動します。
by kaz-i (2010-01-21 07:53)