暖簾(のれん)・花のれん・しぶちん(短編集) [読書]
山崎豊子に、はまった。
大阪・船場育ちの作者が、大阪商人のど根性を綿密に描いている。
文字通り「体を張って」のし上がった人たちの姿を。
商い(あきない)に”憑かれた”ひとびとの狂気にも似た生き方。
流した汗の一滴一滴を積み上げて作った財産や「のれん」も、震災や戦争などで
一夜にして失ってしまう。
しかし、彼らはまた立ち上がる。
どけちと言われようと、自分のポリシー「商い道(どう)」を貫く姿は、どぎつくも
美しい。
「暖簾」は昭和32年、芸術座の柿落としで上演された作品でもある。
吉本興業の創始者をモデルにしたとされる「花のれん」で直木賞受賞。
しばらく「船場もの」がクセになりそうだ。
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