はさみ・父帰る [芝居・ステージ]
名古屋から新幹線で東京に戻る。
6時過ぎに東京駅に着いたので、そのまま銀座のMAKOTOシアターまで歩いて、
現代制作舎制作、昭和戯曲傑作選Vol.7 を見に行く。
「はさみ」は田中澄江作。
一人の男性を巡る女性たちの心理を、生け花を小道具に巧みに描かれた作品。
美しい花の枝を切る「はさみ」は、思いまで断ち切ることもある。
そして時には凶器にもなる。
島田聡子、小林美穂、他の出演。
「父帰る」は菊池寛の代表作。
四人家族(母、兄、弟、妹)のもとへ、二十年前に出奔した父が突然帰ってくる。
それまでの苦労を切々と語る兄(小長谷勝彦)と、明治男のプライドを残しながら
うらぶれてしまった父(松熊信義)の哀しさが、胸に迫る。
家族制度が崩壊してしまった現代に、礼を忘れずつつましく暮らす家族の姿が
鮮やかに浮かび上がる。「情」の物語だった。
丁寧な演出(松熊さん)と、抑えの効いた演技(出演は他に母:菅原チネ子、
弟:根本貴史、妹:小石川祐子)がとてもよかった。
本日まで。
お問い合せは「現代制作舎」 03-3482-3383
場所:MAKOTOシアター(誠オフィス1F) ↓
コメント 0